陶磁器趣味と御縁

プロダクト エバンジェリストの駒澤です。また今年度から、思うところがあり、平日の終業後の夜間は某所で経営学を学び始めて時間的心理的余裕がすっかり無くなってしまったのと、自宅のスペースの関係から、収集趣味としては下火になってしまいましたが、今回は、昨年、興味を持っていた陶磁器と、それに関する御縁などを書いてみたいとおもいます。 

さて、日常では、いわゆる「やきもの」は、「陶磁器」と一括りで扱われていますが、実際には、陶器と磁器には原料に大きな違いがあるのは御存じでしょうか。陶器は「陶土」とよばれる粘土を原料としており、一方の磁器は「陶石」という岩石を砕いた粉を原料としています。かなり大雑把には、製造工程としては、どちらも成型と焼成があるのはもちろんですが、素材の違いから、焼成の温度が異なり、磁器のほうがより高温で焼成されます。磁器の場合、焼成の際に、陶石の中のカオリンと呼ばれる物質が「ガラス質」に変化するので、それで表面がガラスのように平坦になり、透き通った白磁となり、指で弾くと甲高い音がするようになります。

個人的には、変遷がありましたが、仕上がりの点でも表面が滑らかで透明感のある磁器に魅力を感じることが現在のところは多くなりました。そこに磁器独特の緻密な絵付けも加わると、遠目からでも思わず惹き付けられてしまう魅力的な作品は磁気にこそ多いと思います。日本国内では磁器というと、やはり有田焼が有名と思いますが、私はあまり歴史的なことは得意ではないのですが、しらべてみると、江戸期には、伊万里・有田を支配していた佐賀藩が、窯を直営しており、ここでは藩主の御用品や贈答品を専ら製造していた関係から、選抜された職人が製造コストを顧みる事なく(売り物ではないので)、技術の洗練が進んだようです。このような伝統が絶えることなく継承が続き、今も洗練され続けているのはとても素晴らしいことだとおもいます。

何かを収集するという趣味は昔からあまり持っていませんでしたが、昨年は、自宅の雰囲気を変えてみようかと思い、インテリアとして陶磁器を取り入れることに少し挑戦していました。変遷としては、九谷焼・京焼->備前焼・薩摩焼->丹波焼・信楽焼->長崎三彩->上野焼 を経て、前述のように有田に落ち着きました。御縁があり、下の写真のような作品をちらほらと手に入れることができました。短い期間でしたが、地味に陶磁器の知識も深まりなかなか有意義な体験だったと振り返っています。

#1

骨董市などにも昨年の一時はそれなりの回数出掛けましたが、続けて、この趣味を通じて出会った中でも感慨深い御縁を二つほど御紹介したいと思います。一点目ですが、上の作品の一つの作家の先生に直接お会いする機会がありました。葉山有樹さんという御名前の作家の先生です。普段は佐賀の武雄市で活動されておられるのですが、御縁があり、作家の銘入りの昔の作品を手に入れた際にどうしても作品名が気になり、スタジオにお問い合わせしたところ、大変御多忙にもかかわらず御本人から直接御返信をいただきました。ちょうどその時分に、私の自宅からすぐ近くの会場で個展を開かれているとのことで、お誘いを受けるがままに、会場に伺い、御本人と直接お会いすることができました。現在の作品については、一言で表現すれば類を見ない超絶技巧なのですが、少し以前からWebを通じて拝見していて知っていたものの、実物を拝見する機会は早々には無いと思っていたので、個展のお知らせをいただいた際にはそれだけで心が躍りました。

#2

 左の作品は会場で頂戴した図録に収録されている画像を写真に収めたものですが、実物の作品は言うまでもなく、超絶技巧の数々で圧倒的な存在感を放っていました。まずはマネージャーの方に御挨拶をすると、続けて、作品毎に、技法・製作背景・モチーフを詳細に説明くださり、お陰様で、昨日までは写真越しに拝見していた各作品を更に掘り下げて、距離を縮めて拝見できたと思います。しばらくして葉山先生御本人にも緊張しつつ御挨拶と先日の御礼をし、その際、大変立派な図録をいただいたのですが、「せっかく来ていただいたので、何か描きましょうか・・」と仰ってくださり、なんと、図録の巻末に、一筆を頂戴することができました(実演のスペースがあったのですが、そちらで15分ほど筆を動かしてくださり、下のような花と鳳凰を描いてくださいました)。大変、緻密な絵ですが、それなりに太い1本の筆の毛先を僅かに紙面に当てて描かれています。結局、会場には気が付くと2時間ほど居たのですが、帰宅後もしばらく感動と興奮がさめませんでした。後日、御礼のメールをお送りしたのですが、そちらの返信の内容も何とも御丁寧で重ねて感動しました。今度は佐賀のギャラリーに伺いたいと思っています(Yuki Hayama Studio: http://www.yukihayama.jp/

 

 

 

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二点目は、「ギャラリー とべとべくさ」さんとの出会い(再開?) です。こちらも久々に、いやー驚いたといったような出来事でした。その日は上野の美術館に立ちよったあと、少し時間に余裕があり、天気もすがすがしいので、入谷の鬼子母神あたりまで歩こうかと思いましたが、途中で、そういえば河童橋の道具街をじっくりと見たことが無かったなぁと思い、スカイツリーを目安に浅草方面に歩きました。普段使いの陶磁器のお店や漆器、竹細工の店を数件覗いたあとに、普段使いではなく、ついでになにかギャラリーのようなところがあれば覗きたいなと思いながらも、特に探す様子もなくフラフラしていると、それらしい感じのウィンドウが目に入ったので、店の入り口に近づいてみると、ちょうど店の引き戸が開き、中から出てきたオシャレな風貌の店主らしき人と鉢合わせになりました。

私の顔を見るなり表情が変わる店主、あれ、険しい顔か変顔をしていたかな、スミマセンネと思い、とりあえず挨拶をすると、そうではなく、なんと、その方、お互い子供のころから顔見知りの(学年は1つだけ違う)お互いの自宅が窓から見える目と鼻のご近所の方でした。有難いことに私の顔を覚えていてくださっていたようで、そのまま2、3言交わした後、わたしも、「え、それじゃあ伊藤さん??」と気づき、その後は1-2時間ほどそのままギャラリーにお邪魔してしまいました。お話を伺うと、御縁があり同じく河童橋の陶磁器のお店にお勤めだったとのことでしたが、そこで陶磁器に嵌ってしまい、好きなものを取扱いたいということで独立されたとのことでした。いやー、すごい、の一言でした。

#6

 

 

 

 

 

 

 

こちらでは、主に信楽・瀬戸・伊賀・美濃の現代の作家物の徳利、ぐい飲みなどの酒器と、食器の茶碗・皿を扱ってらっしゃいます。帰りがけ、少し前に手に入れた上野焼の中鉢に釉薬の雰囲気が似た信楽の大鉢を譲っていただきました。陶磁器というジャンルを介した幾重にも偶然が重なった、或る意味奇跡的な再開ではありましたが、こちらは、丁度、探していたサイズの食器を譲っていただいたまでなのですが、逆に気を使っていただいてしまい、それではお礼にということで作家物の湯呑をいただいて帰ってきてしまいました。「そんな、いただくつもりはないのですが・・」といいつつも、かなり真剣に湯呑を選んでいた自分がいました。それにしても、思わぬ偶然で陶磁器のギャラリーの店主とのご縁ができて、なんとも、俺得なできことでした。こんな感じで、趣味から派生して偶然の出会いがいくつかあり、昨年は楽しい一時を過ごすことができました。ふと思い出したので、今回、ブログ記事にしました。 (とべとべくさ さんのWebサイト http://tobetobe-kusa.jp/)。お店の佇まいは↓になります。

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