ダム湖に沈むJR吾妻線の旧線

こんにちは、Fe@NJです。

JR吾妻(あがつま)線は、群馬県渋川市から県北西部の嬬恋(つまごい)村に向かう全長約55kmのローカル線です。沿線は、草津・万座・四万(しま)、他、人気の温泉や、北海道並みの乾粉雪のウインターリゾートに恵まれています。

草津温泉のシンボル「湯畑」

草津温泉のシンボル「湯畑」

吾妻線では、八ッ場(やんば)ダムの工事の進行に伴ない、その周辺の軌道、すなわち、車窓の白眉と言える岩島(いわしま)駅~川原湯(かわらゆ)温泉駅~長野原草津口駅)が人造のダム湖に沈んでしまうため、2014年10月1日、山腹のトンネル主体の新線に付け替えとなります。

というわけで、廃線になる旧線との惜別の旅に「出発進行!」
大宮駅から、臨時列車の快速「リゾートやまどり」号、高崎線・上越線経由、吾妻線の長野原草津口行きに乗車しました。

 

リゾートやまどり号

 リゾートやまどり号

やまどり号は先頭と最後尾の車輌に展望室を備え、乗客たちは交代で、いわゆる「鉄っちゃんかぶりつき」を満喫します。

 

 前展望室

前展望室

上越線の渋川駅から吾妻線に入ります。岩島駅の先で、工事完成直前の新線を左に分けます。三角状の構造物が新線の橋です。緩い右カーブに続く従来の軌道が廃線となります。

 

新線・旧線の分岐点

新線・旧線の分岐点

この先、鉄道ファンの間で人気が高い、日本一短い「樽沢(たるさわ)トンネル」(全長7.2m)を通過します。

 

前展望室からの樽沢トンネル

前展望室からの樽沢トンネル

吾妻線は、太平洋戦争末期、南方資源を断たれた我が国が、群馬鉄山(群馬県六合村、現在の中之条町)からの褐鉄鉱の輸送のため、地元住民の勤労奉仕による突貫工事の末、1945年1月、開通となりました。なぜ、わずか7.2mを切り通しとせず、トンネルにしたか、その理由は諸説ありますが、その一つが、工事を急ぐため、あえて切り崩さなかったとの話です。

 

後展望室からの樽沢トンネル 右下は 旧 国道145号線

後展望室からの樽沢トンネル 右下は 旧 国道145号線

やまどり号を降りて、徒歩で樽沢トンネルへ。懐かしい「湘南色」(濃緑色&橙色)の普通列車が通過して行きました。この辺り、「上毛かるた」の「や」の札の景色です。

 

樽沢トンネル

樽沢トンネル

特急草津号が鉄橋を通過します。この「第三吾妻川橋梁」は、近くの川原湯温泉と共に、湖底に沈みます。吾妻川の河床は、緑色凝灰岩の独特の色彩を呈します。

 

第三吾妻側橋梁

 第三吾妻側橋梁

川原湯温泉駅~長野原草津口駅の中間地点にある「道の駅 八ッ場ふるさと館」の隣の「不動大橋」から下流側の俯瞰です。山の中腹を通っているのが国道145号の八ッ場バイパス、その右斜め下が廃線・水没区間の吾妻線、特急草津号が走って来ました。さらに一段下がって 旧 国道145号線です。

 

不動大橋より下流側

不動大橋より下流側

同所、反対側(上流側)です。普通列車が模型の様に見えます。

 

不動大橋より上流側

不動大橋より上流側
大雨に弱かった旧線と比べ、新線は防災強度が著しく向上となり、沿線の方々は熱い期待を寄せています。一方で、昭和がまた一歩遠のく淋しさを禁じえません。(了)


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